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岡目八目

藁科満治さん
読売新聞 2012/11/27掲載
藁科満治さん

(2)太平が育んだ伝統文化(寄稿連載)

 ◇わらしな・みつはる
 浮世絵は、わが国の伝統的な美術の一形態として、しかも庶民の手によって生み出された特殊の芸術として、国際的に高い評価を得ています。それは今日、欧米の主要都市の博物館や図書館に、上質のコレクションが多数所蔵されていることからも明らかです。
 浮世絵の「浮世」という言葉は、古くは「憂世」と書くのが普通でした。しかし近世になって徳川幕府の権威が広くいきわたり、政治的、経済的安定がもたらされた時代背景を受け、「憂世」は明るい感じのする「浮世」に書き換えられたといわれています。
 囲碁文化も新しい時代に入りました。一六一二年(慶長十七年)、わが国に初めて本格的なプロ棋士が誕生しました。本因坊算砂です。そして、幕府によって新たに「碁所」という制度が設けられました。これは正式な将軍の指南役ともいうべきもので、将軍の命がなければだれとも対局できない仕組みでした。そのため権限は絶大で、家元の承認、棋士の昇段など碁界のすべてを牛耳ったのです。これを契機に制度の制定・改革が進められ、囲碁の社会的評価と地位が高まり、囲碁文化は庶民の中に広く浸透していったのです。
 このような事情を背景として、源氏絵、武者絵、役者絵、そして美人画などを通じて、浮世絵から囲碁へのアプローチが始まりました。源氏絵では、情感豊かな「空蝉(うつせみ)の巻」「竹河の巻」などの対局場面が、武者絵では碁盤を武器に戦う佐藤忠信の雄姿が、役者絵では、歌舞伎に登場する囲碁の場面を題材に、対局場面、碁盤、碁石などが浮世絵に盛んに登場するようになったのです。
(棋道懇談会会員)
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