上達の指南

張栩と泉美の「四路盤へようこそ」 PART2

(1)格言「2子にして捨てよ」

(寄稿連載 2012/04/10読売新聞掲載)

 娘2人に「楽しみながら囲碁を覚えてもらうにはどうすればいいか」と考えたことから生まれた四路盤問題。多くの皆さんに受け入れていただいているようです。本当にうれしい限りです。
 昨秋に続き、再び皆さんと四路盤を楽しんでいきたいと思います。
 改めてルールを確認しておきましょう。黒番です。白を全部取るか、地合いで勝ってください。ジゴでは不正解です。

 【第1問】 格言にもあるテクニックを使います。3手目がカギです。

 【失敗図】 初手は黒1の切りに限ります。ただし黒3と連絡するのは白4と抜かれ、黒5と当てても白6とつがれます。黒7となってセキですが、白にはアゲハマが1個あるので、黒の1目負けです。

 【正解図】 「2子にして捨てよ」の格言どおり、黒3と伸びるのが好手筋。白6と取らせたのち、黒7と放り込んで9と当てます。白10と1眼をもっても、黒がコウを取れば、白に打つ手がありません。

 【第2問】 初手が肝要です。急所はどこでしょうか。

 【失敗図】 黒1と出る手が目に付きますが、白2とぐずむのが好手です。黒3、白4でセキですが、アゲハマが1個ずつのジゴでは失敗。

 【正解図】 敵の急所は我が急所。黒1のブツカリが急所でした。白2のツギなら黒も3とつぎます。白Aには黒Bと先に当たりをかけることができるので攻め合い勝ちです。白2で3なら黒2、白C、黒Aまでです。

 <泉美からのひと言> 我が家の長女も現在、「よんろのご」に夢中です。「パズル感覚で楽しむ」ことが一番ですね。

●メモ● 昨年発売された張栩棋聖監修の囲碁パズル「よんろのご」は、新しい囲碁入門ツールとして注目を集めている。その問題集である『よんろのごのほん』(幻冬舎エデュケーション)が1月に出版された。100問収められ、入門者からひとケタ級を目指す人にとって格好の手引書となっている。

【第1問】
【第2問】
【失敗図】6(1)
【失敗図】
【正解図】7(1)、8(3)
【正解図】