上達の指南
(4)小さくても味わう広さ
(寄稿連載 2012/05/01読売新聞掲載) 長女の心澄(こすみ)(6)は現在、自宅近くの碁会所に通っています。主人や私が相手をするだけでなく「色々な人と対戦した方が本人のため」と考えたからです。
皆さんにとても良くしていただいていることもあって、楽しく通っているうちにメキメキと上達。これから、もっともっと囲碁を好きになってほしいと願っています。
家での勉強法は、実戦と棋譜覚え。そして読みの訓練は、やっぱり四路盤の問題ですね。
【第1問】 初手のさえと5手目の沈着さで。
【失敗図】 黒1が目に付きますが、白2から4とつがれて窮します。このあと黒Aとしても白Bと取られ、黒にはコウ立てがありません。初手で黒Cも白2、黒3、白4とされ、やはり黒はツブレです。
【正解図】 黒1が白をダメヅマリに導く手筋です。白2が最強の抵抗ですが、黒3から5と根元をつぐのが沈着な好手。白6に黒7と取れば、白にコウ立てがありません。
【第2問】 どこから手を付けるべきか。四路盤の広さを味わってください。
【失敗図】 黒1のブツカリから3とすれば白4、黒5まで生きることはできます。しかし白にも6と生きられ1目負け。初手で黒3でも白2と出られ、黒1、白4で同結果に。
【正解図】 黒1が急所で、白2、4に黒5と当てます。白6の時に黒7と取り、白にはコウ立てがありません。黒5で6は白Aでセキ=ジゴとされてしまうので注意してください。
<張栩からのひと言> 一時期ほどのハイペースではありませんが、今も新しい四路盤問題を作成中です。また近いうちに当コーナーでお会いできればと思っています。
(おわり)
●メモ● 泉美夫人の手料理で家族に一番人気なのは、野菜たっぷりのスパゲティ・ミートソース。「母(故・小林礼子七段)の味を忠実に再現できたという点で、私自身もかなり気に入っている料理です」。その他、水ギョーザ、スペアリブ、ハマグリのスープが好評だという。