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上達への指南
呉清源師の「生涯一局」その十四 読売新聞 2013/10/01掲載
(3)ドクターストップで中断(寄稿連載)
 この十番碁第3局の当日、私は風邪気味でしたが、押して対局に臨みました。しかし発熱して、医師によりドクターストップがかかり、「実戦図1」の白14を封じ手として1日目を終えました。頭痛もひどく、やむを得ませんでした。再開したのは24日後です。
 現代碁はコミがあり、それで、黒は積極的に、白は落ち着いてコミにかかるように布石しています。十番碁はコミがないので、黒はゆっくり布石して、盤面で2目でも3目でも余ればよい、という態度です。白は常にチャンスを求めて仕掛けなければなりません。
 「実戦図2」が再開後の経過です。白20はそうした発想にもとづいていたにしても、現在のコミ碁の観念からすれば、かなり無理気味と言われるかもしれません。
 白24で「参考図1」の白1と切るのは、白7までで一段落ですが、後に黒A、白Bとなり、白は面白くありません。黒25で「参考図2」のようになるのは、黒が不満でしょう。黒29までを見ると、上辺の黒が厚く、一大勢力を形成し、白がいやな展開となっています。本局は結局、黒の5目勝ちとなりました。
 観戦記は作家の川端康成氏でした。「十番碁を打った例は、古い歴史にあって、近年にはこの二人のこれしかないことを思い、二者対立の運命の喜びと厳しさとを思うのである」と記されました。
(構成・牛力力)

●メモ● 白14を封じた後、呉師は医師の診察を受けた。呉師は「少しくらいの熱は対局に差し支えありません」としていたが、医師の宣告は「対局続行は無理」。これを聞いた木谷七段は「全快して後こそ、互いに心おきなくしのぎをけずろうではないか」と対局の延期を了承した。
写真=十番碁にあたって読売紙上に掲載された木谷七段の挿絵(宍戸左行画)
打ち込み十番碁第3局
白 七段 呉 清源
黒 七段 木谷 実
(1940年3〜4月)

【実戦図1】


【実戦図2】


【参考図1】

【参考図2】


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