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上達への指南
呉清源師の「生涯一局」その十五 読売新聞 2014/02/04掲載
(1)大先輩・雁金凖一の傑作譜(寄稿連載)
 2014年になりましたね。1914年生まれの私には特別な年になります。光陰矢のごとしとはよく言ったものです。思えば様々なことがありました。
 さて、1941年に始まった雁金凖一先生との十番碁を検討しましょう。雁金先生は大先輩に当たる方ですが、一段下の私と互い先で打ってくださいました。今でも感謝しています。
 この第2局は雁金先生の強みが発揮された傑作譜です。私は散々悩まされました。
 「実戦図1」の白10でイなら黒20と切って捨て石で締め付け、黒が効率的です。さすがに白は10から18まで打った後、20とついできました。黒21のコスミはいまだに悔やんでいます。ロの並びが石の形でした。
 「実戦図2」の白26のツケからは、いかにも雁金先生らしい。黒29の手で31と切ると、白33、黒イ、白ロの筋があります。黒33に対して白34というのも素晴らしい手筋でした。黒45が苦戦の原因です。「参考図1」のように打てば、白AやBが利いて隅はセキになるかもしれませんが、実戦よりは勝っています。
 黒49はつらい手ですが、「参考図2」の黒1ですと、白6までコウです。黒3でAと打てば白B、黒C、白D、黒ツギで白3とされてしまいます。
 終盤の寄せで白はだいぶ損をし、結局、黒の6目勝ちとなりました。雁金先生の好局でしたので、私としても残念な心持ちがいたします。
(構成・牛力力)

●メモ● 雁金凖一(1879〜1959)は本因坊秀栄門下で、後継者にも擬された実力者。団鬼六「落日の譜 雁金凖一物語」(筑摩書房)が独特の人物眼でその人生を描いている。この勝負は木谷実に続く十番碁第二幕として行われ、囲碁界の注目は大きかった。第1局は呉師の白番中押し勝ち。
写真=呉師近影
打ち込み十番碁第2局
白 八段 雁金凖一
黒 七段 呉清源
(1941年10月)

【実戦図1】


【実戦図2】


【参考図1】


【参考図2】

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