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上達への指南
呉清源師の「生涯一局」その十七 読売新聞 2014/11/04掲載
(2)岩本本因坊とのコウ争い(寄稿連載)
 橋本宇太郎八段との十番碁が終了した後、読売新聞社に次の相手として選ばれたのが、当時、本因坊2連覇を果たし、「薫和」と号していた岩本薫八段でした。岩本八段はコウの得意な人であり、私もコウは嫌いな方ではないので、岩本八段との十番碁はどの局を見ても必ずコウ争いがありました。
 「実戦図1」の白32はイと打つ方がよかったのです。これについては後ほど説明いたしましょう。
 黒35は白にロと受けさせて、それからハ、白ニ、黒36と打とうという注文でしたが、先に白36と打たれ困ってしまいました。黒35ではすぐにハと打つべきだったのです。
 黒39以下は先手を取って、47に回ろうというものです。白は50と形を整えました。
 局面が進み、「実戦図2」の白1と飛び込んで、いよいよコウが始まります。
 黒4、白5はお互い苦心のところです。黒4で「参考図1」の黒1ですと、白は2、4の形でコウにします。これは白の負担が軽い。
 黒4を「参考図2」の白2と抜けば、白4に続いて黒5を打ち、そして黒7、9とコウにします。これならコウを抜いた後の黒Aが大きい。「実戦図1」の白32が悔やまれる理由がここにあります。
 この十番碁は2連勝の好スタートを切ることができました。
(構成・牛力力)

●メモ● 岩本薫八段との十番碁第1局は手入れ問題が生じた一局。最後、コウが残ったが、岩本八段はコウ材有利として手入れを拒否。白番の呉師の勝ちは動かなかったが、終局時、勝敗は「白1目ないし2目勝ち」とされた。この一局は2010年3月の本欄で紹介している。
写真=十番碁第3局に勝ち、笑顔の岩本
打ち込み十番碁第2局
白 八段 岩本薫
黒 八段 呉清源
(1948年7月)

【実戦図1】


【実戦図2】


【参考図1】


【参考図2】

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