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上達への指南
呉清源師の「生涯一局」その九 読売新聞 2011/11/22掲載
(4)ナダレ形難戦制し優勝(寄稿連載)
 第1期日本最強決定戦で優勝戦線に残ったのは、私と木谷実さんでした。私が7勝2敗、木谷さんが6勝2敗1持碁。本局の勝者が優勝するのです。
 私が高川格さんに打った大ナダレ内マガリの新手以来、それまでよく打たれていた大ナダレを避ける棋士が多くなっていました。さらには小目への二間高ガカリさえ打たれなくなる傾向がありました。
 本局で、木谷さんはそうした流れにあえて挑戦してきました。
 「実戦図1」の右下隅で白8となだれ、さらに左下隅でも白14と打たれました。木谷さんの気合を感じさせます。
 「実戦図2」の白18で、久しぶりの大ナダレから黒23と内マガリを打ちました。「参考図1」の外マガリでは、白8と置かれて黒が取られますが、黒Aと白Bの交換があれば、白8でも黒C、白D、黒Eで取られないのです。白24では「参考図2」のように先に白1と切り、黒2を待って白3とするのが今日の結論です。というのは黒27で33ですと外マガリ定石に発展し、黒23と白24の交換が白の損となるからです。
 その後、左上隅も黒がなだれて、「ナダレが三つできたぞ」「ナダレ研究会だ」と、対局中ながら木谷さんと一緒に面白がる一幕もありました。本局は、黒10目勝ちとなりました。その結果、私の優勝が決まりました。
(構成・牛力力)
(おわり)

●メモ● 呉の優勝を報ずる1958年5月2日の記事から。「三個所にナダレ形ができるという囲碁史上にないほど奔放な戦いだった。(中略)呉九段は一時非勢に立ったが、あり余る時間を利用して慎重を極め、ついに態勢を立て直してコウ争いから勝利をにぎった」
写真=日本最強決定戦に優勝し、優勝杯をうける呉師(右)(1958年5月)
第1期日本最強決定戦
白 九段 木谷実
黒 九段 呉清源
(1958年)

【実戦図1】


【実戦図2】


【参考図1】


【参考図2】

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