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上達への指南
橋本雄二郎九段の「二間開きに悪手なし」 読売新聞 2006/01/16掲載
(1)最低80点の値打ち(寄稿連載)
 4週にわたって、二間開きをテーマにお話しします。
 「ここに開けばなんとかなる」と、私が碁を覚えて最初に教わった手は二間開きでした。では、弱い人用の手かというと、そうではありません。
 二間開きを多用する棋士は、日本では小林光一九段、韓国では李昌鎬九段。世界のトップクラスのプロが、二間開きを好んで打っています。
 二間開きは、布石の段階での辺の打ち方の基本。簡単でわかりやすく、碁を覚えた瞬間から誰にでも打てる手でありながら、同時にトッププロも使う最も有力な打ち方の一つなのです。
 アマチュアの皆さんに、二間開きを見直し、マスターし、実戦で活用していただくために、これからその特性を紹介していきましょう。

 【1図】 まず、二間開きの基本です。白からA、B、C、D、Eはいずれも「二間開き」。でも、FとGはすぐ近くに黒石があります。A〜Eと同様に三線で二間の幅があいていますが、Fは「ツケ」、Gは「カド」と呼ばれます。それぞれ、A〜Eとは少し意味が違う手で、二間開きとはいいません。

 【2図】 最善の手は誰にもわからない局面です。でも、布石の段階では、よほどの急場がない限り、二間開きを打っておけば最低でも80点の値打ちはあります。白1またはA、Bは、いずれもプロの実戦例がある手で満点。白Bは、基本の二間開きから一工夫した手です。
 白1に対して、黒もCかDの二間開き、または一工夫したE、Fに満点をあげられます。黒Gは、少し強い人なら笑うかもしれません。確かに、安定した黒石から開いているので、CやDより価値が低い手です。それでも「コミを2目くれる」と言われれば私は黒Gと打つでしょう。それほど、C、Dとの差はわずか。80点の価値は十分にある手です。

●メモ● 橋本九段は1955年石川県生まれ。71年入段、98年九段。81年新鋭トーナメント準優勝、84年新人王戦準優勝。85年棋聖戦五段戦、91年同六段戦優勝。85年と95年に棋聖戦最高棋士決定戦に出場している。

【1図】


【2図】
橋本雄二郎九段の「二間開きに悪手なし」 (1) (2) (3) (4) [ 『上達への指南』一覧はこちら → ]