上達の指南
(3)コツを意識し対局しよう
(寄稿連載 2010/01/19読売新聞掲載) 王唯任です。囲碁というすばらしい文化を多くの人に伝えたいと思い、アミーゴに参加しました。囲碁って楽しいと思ってもらえるように、分かりやすく丁寧な講義を心がけています。
今週は「対局のコツ」を9路盤の模範対局で解説しましょう。コツを意識して対局すればきっとうまく打てますよ。
1図、黒1から白8まで右辺に黒地が、左辺に白地ができそうで、陣地のバランスが取れています。白4でA、白6でBと打ったとすると、白の陣地は左下に小さく偏り陣地の大きさに差がつきます。囲碁は陣地を争うゲームですから、「どこを陣地にしたいかイメージして打つこと」が大切。なんとなくイメージするだけで、うまく陣地が囲えるようになります。
2図をご覧ください。黒1と白の陣地に入ろうとしてきました。白は2と止めました。黒3にも白4。「相手が入ってきそうなときはしっかり止める」のが肝心です。黒5にも白6、黒7には白8と、危ないナナメのキズを守ることが大切。白8でほかに打つ人を見かけますが、黒から8と切られると白6は当たりとなります。Aと逃げても黒B以下Fまで追いかけられて取られます。「ナナメのキズに気をつけよう」というのも大切なコツです。
3図の黒3はナナメの守り。黒5、白8と相手の侵入を止め、黒9と当たりをついで終局になりました。
●メモ● 王四段は1977年4月、台湾生まれ。筒井勝美五段門下。97年入段、2000年四段。「対局では年長者が白石を握って碁盤の上に置き、相手が奇数先か偶数先かを意思表示します。奇数先とした場合、盤上の白石が奇数なら相手の先番、偶数なら年長者の先番になります」