上達の指南
(3)「広いところ」を目指す
(寄稿連載 2010/10/05読売新聞掲載) 石には「良い形」と「悪い形」があり、悪い形が身につくと上達の妨げになってしまいます。
梅沢由香里五段「1図は4子局です。いま白1と両方から挟んだところ。ここで黒2と打つ人をよく見かけます」
万波佳奈四段「上手から攻められると、怖くなって石を助けようとするのでしょうか」
梅沢「黒2なら、2図の白3と止められて、黒12まで隅に閉じ込められてしまいます」
王唯任四段「白は外が厚くなりました。次に白13と打たれると▲の石が弱くなります。また、白Aと打たれると左辺も広くなります。石が下にいくと他の場所に悪い影響が出ますね」
梅沢「白1には3図の黒2と中央に出る一手。白3と根拠を奪われても黒4と連絡を断って6とさらに中央に向かって逃げれば安心。中央は広いのです」
長島梢恵初段「黒6もポイントですね。黒Aと打つ人がいますが、小さく取るのではなく、白1子を呑(の)み込むように模様を広げるのが大切です」
万波「石が下にいくといえば4図、白1の打ち込みに、黒2、4と打つ人もいます。隅を生きようとしたのでしょうが、窮屈な格好になりました」
梅沢「封鎖をされないよう広いところにいくべきで、黒2ではAかBと石を上に持っていくのが正しいですね。むしろ白1を攻める気持ちです。なるべく広いところを目指して打つよう心がけることが上達の早道です」
●メモ● 梅沢五段、万波、王四段が囲碁教室を開催している。3か月単位で開講し、19路盤で打てるようになるのを目標とする。場所は東京都新宿区の囲碁サロン「天元」と千代田区の「ダイヤモンド囲碁サロン」。詳しくは(http://www.umezawa-oh-mannami.com/index.html)