上達の指南

石倉昇九段の「わかりやすい囲碁入門」

(1)基本的ルールたった5つ

(寄稿連載 2009/02/09読売新聞掲載)

 この講座では、全くの入門の方を対象にルールから紹介していきましょう。囲碁は難しそうに思われるかもしれませんが、基本的なルールはたった五つだけです。
 ルールその1は交互に打つ。同じ実力の人同士が打つ場合は、黒から打ちはじめます。
 ルールその2は地の多い方が勝ち。1図のように自分の石をつなげて囲い合い、空き地を多く囲んだ方が勝ちとなります。右側が黒地で31目(もく)、左側が白地で30目。黒の1目勝ちという結果です。目は地の単位です。
 ルールその3は相手の石を囲めば取れる。2図のように、白石の縦横の隣の点をすべてふさぐと、黒は白石を取ることができます。取った石は、ゲームが終わり地を数えるときに、相手の地を埋めることに使います。
 以上が、大切な三つのルールです。このほかに特殊な二つのルールがあります。
 3図のAは、黒の着手禁止点。すでに囲まれた場所に黒Aとは打てません。(ルールその4)ただしBのように、白石を取れる場合は、黒Bと打つことができます。
 Cは特殊な形です。黒Cと取った後、白が△と取り返すと元の形に戻ります。この反復同形をコウといい、すぐに取り返すことはできません。これをコウのルールといいます。(ルールその5)

●メモ● 囲碁の魅力の一つを「高齢になっても強くなれるゲーム」と話す石倉九段。自らが指導する囲碁教室では、87歳で始めて99歳で3級になった方もいる。「コンピューターが人間にかなわないゲームでもあります。記憶と読みだけではなく、感性を大いに働かせる人間的なゲームなのです」

【1図】
【2図】
【3図】