上達の指南

石倉昇九段の「わかりやすい囲碁入門」

(2)4つの法則で楽に打てる

(寄稿連載 2009/02/16読売新聞掲載)

 ルールを覚えたら、さっそく対局してみましょう。次の「四つの法則」を覚えると、囲碁を楽に打てるようになります。
 法則1「まわりにきたら、ごあいさつ」
 法則2「ナナメにご用心」
 法則3「いれてください・いれません」
 法則4「離してきたら、離して打つ」
 1図はアマ初段同士の対局です。黒1から白6まで広くあいている場所に自分の石を配置し(法則4)、黒7と石がくっついたら白8とくっつけて応じます(法則1)。
 2図の白1は覚えたての方に多い失敗。黒2と打たれると白石が当たり(次に取られる状態)となり、白3と逃げても黒6まで取られてしまいます。1図の白12と守ることが大切です(法則2)。
 3図は1図の続き。得をすることを目指しながら境界線を決めていきます。白14は「いれてください」。黒15は「いれません」。境界線づくりは法則3の繰り返しです。
 黒27で終局。黒地が30目(もく)、白地が24目。ただし同じ棋力の場合、先に打つ黒が有利なため「コミ」というハンデを黒が白に6目半渡します。この対局は白の半目勝ちという結果です。
 覚えたての方には、模範的な対局を途中まで並べ(例えば1図の白12まで)、その後を自由に打つ「決め打ち碁」(私の造語)をお薦めします。

●メモ● 石倉九段は東京大学教養学部で囲碁を教えている。単位を取れる授業として注目され、昨年客員教授として迎えられた。「人生同様、囲碁も思いどおりにならないことが多い。でも、苦しいときに辛抱すればチャンスは必ずやってくる。囲碁は楽しみながら忍耐力を養えます」と話す。 

【1図】
【2図】
【3図】