上達の指南
(3)「危ないナナメ」見分ける
(寄稿連載 2009/08/18読売新聞掲載) 囲碁は「地の多い方が勝ち」というゲームですが、地をつくるには石がしっかりつながることが大切。つながらないと、「地」が完成しないのです。とくに、「ナナメ」の所がつながっているか、危ないかを見分けることが大切です。
【1図】 白1と打ってきた場面。黒の形にナナメが2か所できました。ここで黒は、A、Bどちらを守ればよいでしょう。
【2図】 黒1は失敗です。白2と打たれると黒3子が切り離されて、「当たり」(次に取られる状態)です。
黒3と逃げても白4で取られてしまいます。こうなると黒大敗となります。碁を覚えたての方は、とかく、碁盤の端の方のナナメに気がつかないことが多いようです。
【3図】 黒1が自分の石をつなげる大切な守り。白Aと打たれても、黒B、白C、黒D、白E、黒Fと、白石を碁盤の端に追いつめるように打てば、白を取ることができます。
1図のAは「大丈夫なナナメ」で、Bは「危ないナナメ」でした。これを見分けられるようになれば、入門はほぼ卒業です。
3図に戻って、白2、黒3と打って境界線が完成し、終局。黒地が31目、白地が23目で、黒の8目勝ちという結果です。
黒が1図のAと打つと負け、Bと打つと勝ち。まさにナナメを見分けることが勝敗の分かれ目となりました。
●メモ● アマチュアへの囲碁普及にも力をそそぐ石倉九段は、東京・渋谷にある東急プラザでの囲碁教室を25年間続けている。入門から有段者までを対象に四つのクラスがあり、生徒は小学生から80代の高齢者まで幅広い。女性が多いのも特徴。最近は、入門・初級者が増えているという。