棋聖戦
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上達への指南
小林光一「名誉棋聖への道」その二 読売新聞 2012/05/29掲載
(4)加藤は終生のライバル(寄稿連載)
 第15期の挑戦者は加藤であった。加藤は第2期で藤沢秀行に挑戦して以来、小林には第12、15、17期に挑戦、都合4回、棋聖位に挑んだ。これは挑戦回数の最多記録である。そのうち3回は3勝4敗で敗れており、だれもが実力を認める加藤でも、棋聖戦に限っては武運がなかった。
 本局はブラジルで行われた。小林は「湾岸戦争が勃発して、囲碁は隅の方に追いやられた記憶がある」と振り返る。

 【局面図】 左上隅で▲と生きたところ。

 【変化図1】 ここで、単刀直入に中央の黒を攻めるなら、まず白1のケイマが目につくが、白7のコスミに黒8とつがれると、上辺の白が危険になる。

 【実戦図】 白1のツケは仰天させられるようなもたれ戦術であった。黒2はAと切る反撃を狙っている。これを平凡にBと伸びるのは白の術中にはまる。

 【変化図2】 白2、4と押して6とケイマする。これは中央の黒の大石に生きはない。

 小林は実戦図、白7の伸びが甘かったという。これをBとはねていたら、決まっていたようだ。黒12まで、訳の分からない戦いだが、結局、白は黒にあっちもこっちもしのがれて、混戦に導かれてしまった。この苦しい碁をものにしたのだから、加藤も充実していたのだろう。
 小林と加藤は終生の良きライバルであった。
(敬称略)
(赤松正弘)
(おわり)
●メモ● 棋聖8連覇の小林はその間、棋聖戦七番勝負を47局戦って32勝15敗と、驚異的な数字を残した。その小林は、「すごい熱戦だった。忘れられない一局」として、負けた本局をベスト3の1局に選んだ。あとは第16期第7局で山城宏に、第17期第6局で加藤に勝った2局。
第15期棋聖戦七番勝負第1局
(1991年)
黒 九段 加藤正夫
白 棋聖 小林光一
304手完 黒1目半勝ち

【局面図】


【変化図1】

【変化図2】



【実戦図】

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