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上達への指南
小林光一「名誉棋聖への道」その三 読売新聞 2012/08/21掲載
(4)大逆転で不滅の8連覇(寄稿連載)
 終生のライバルと自他ともに認めた小林と加藤は、負けず劣らず頑固だったから、同じような布石が多い。二人とも自分の方が悪いとは露ほども思わなかったからであろう。本局も序盤の17手まで、第6局と全く同じ進行をたどった。

 【局面図】 左下で、△とついだところ。「やや黒が打ちやすい形勢ではないか」と小林は見ていた。

 【変化図1】 常識的には黒1、3の二段バネからの攻めだが、白4から6の切り込みがうまい。白14まで生きた後、白Aの伸びが残るのがしゃくにさわる。黒1をBなら穏やかだが、白C、黒8の次に、局面図の白イの大きな詰めに回られる。

 【実戦図】 黒1のケイマがバランスが良い。
 黒7と封鎖した形が厚い。そして、黒17の詰めが必争の要点で、黒が一歩抜け出した。

 【変化図2】 実戦図の黒5で、1と切るのは、白2から4とはみ出され、黒5に白6とはねられて、左辺の黒5子が薄くなる。

 小林、4勝3敗で8連覇。この間、かど番を6度もしのいだのは驚異的といえる。第18期、小林は趙治勲の挑戦を受け、2勝4敗で9連覇は成らなかった。8連覇を通して、小林の真摯(しんし)な対局姿勢には強い感銘を受けた。囲碁史上にさん然と輝くこの大記録が破られることはない、と断言してもいいのではないだろうか。
(敬称略)
(赤松正弘)
(おわり)
●メモ● 小林の9連覇は夢と消えた。第10期、小林は趙治勲を4―2で破って棋聖位に就いたが、今度は趙に同スコアでタイトルを奪い返された。運命の女神のいたずらのようなものを感じる。小林は「趙さんはもっと早く出てくると思っていた」とさばさばしていた。
写真=第17期棋聖戦第7局 1勝3敗からの大逆転で8連覇を果たした小林(右)
第17期棋聖戦七番勝負第7局
(1993年)
白 九段 加藤正夫
黒 棋聖 小林光一
131手完 黒中押し勝ち

【局面図】


【変化図1】

【変化図2】



【実戦図】

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