上達の指南

甲田明子三段の「三々への対策」

(1)押さえる方向を考える

(寄稿連載 2015/09/29読売新聞掲載)

 三々入りは実戦で頻繁に現れます。皆さんも入り方、その対策を勉強されたことでしょう。しかしアマの方との指導碁では、往々にして首をかしげてしまうことがあります。それは三々に入られるのが嫌で守りすぎることです。そのうえで入られて手にされては元も子もありません。
 三々は基本が分かればしっかり対応できるものです。怖がってはいけません。

 【テーマ図】 白1のカカリに黒2と挟みました。そこで白3の三々です。黒はどちらから押さえますか。全体の石の配置と力関係を考えてください。

 【正解図】 黒1と押さえます。白8まではおなじみの定石。そしてテーマ図のイとかければ右辺の黒は堂々した姿です。ここまで想定して黒1と打てれば立派です。
 余談ですが、この定石は昔からあって、ずっと打たれ続けています。どんどん定石が変化する時代なのにです。完成度の高い、すごい定石なんですね。

 【失敗図1】 黒1とこちらから押さえるのは失敗です。黒の二間開きが低いのがポイント。白6のカタツキがぴったり。これは白がやりました。

 【失敗図2】 指導碁でよく現れるミスです。黒3の押さえがそれ。白を圧迫しようという気迫はいい。しかし白4の下がりから6と切られると黒3の1子がきれいに取られます。
 全体を見て押さえる方向を決めるよう心がけましょう。

●メモ● 甲田三段は1976年生まれ、東京都昭島市出身。岩田一九段門下。アマ高段者の父親に連れられ、3歳から岩田教室に通う。「当時の記憶はありません。気がついたときは、引っ込み思案で、教室でもいつも人の後ろに隠れている子どもでした」。小6で少年少女大会8位、院生に。

【テーマ図】
【正解図】
【失敗図1】
【失敗図2】