上達の指南
(3)ツケ押さえが模様生かす
(寄稿連載 2015/08/11読売新聞掲載) 高中国流は、その高い構えを生かして模様が作りやすくなります。相手が入って来れば厳しく攻め立てましょう。
【テーマ図】 黒1のカカリから3と開くのは上辺を大事する打ち方です。白4のカカリには黒5、7とつけ押さえるのが有力。白8の当てから10とついでも、▲がいいところで、白から開くスペースがありません。黒11で右上が大きな地になりますし、黒3との間合いもいい。
白4でイと上辺からかかってきても、同じように黒11からつけ押さえて十分です。
【1図】 白1のカカリに、黒2のコスミツケから4と一間に構えるのは常とう手段ですが、白5と開かれると、▲の位置が中途半端になります。
【2図】 黒2、4のつけ押さえに白5の当てから7とケイマに構えるのもありますが、黒8と切って十分です。白石は浮き上がっている印象です。
【3図】 黒2のツケに白3とはね込んでくれば、黒4から6と押さえ込みます。白7の飛びなら黒8とついで好形です。
ただし、白7で8と切ってきたときの対策は必要です。
【4図】 白1の切りには黒2の下当てから4と伸びます。手順が長くなりますが、最後の一手は覚えておきましょう。白21で、白AとBのシチョウが見合いになっているようですが、ここで黒22のカドが会心の妙手です。この一手で両方のシチョウを防いでいるのです。
●メモ● 河野八段は、ふだんは若手中心の研究会に通っている。一人で並べるのも勉強になるが、実際に対局して鍛える方が性に合っている。三村智保九段が主宰する「市川こども囲碁道場」では講師を務めている。子どもが集まってにぎやかになるのがうれしい。少しでも役に立ちたいという。