上達の指南
(2)相手の石を切り離そう
(寄稿連載 2009/01/19読売新聞掲載) 昨年のこの講座のパート1で、「石の連絡」が大切だというお話をしました。特に終盤になればなるほど、しっかり石がつながるように心がけて打ちましょう。
でも、入門したばかりで目が慣れていない頃は、碁盤の上の石数が増えてくると、「まだ連絡できていない石」を見逃してしまいがちです。今回は、実戦の中で石の連絡を考えていきましょう。
【1図】黒番で考えてください。しっかり石が連絡していない場所を見つけられますか? ここで黒はどう打つのが最善でしょうか。
【2図】▲の4子がまだ連絡していない石でした。そこで黒1と打てば、▲と■が連絡できます。
ところが実は、△の3子もまだ連絡していない石でした。白2と打たれると、白にも連絡されてしまいます。
【3図】そこで黒1と白石を切り離す手が正解です。白2とこられても、黒3と打てば、白4子を取ることができます。白石を取ることで、左辺の黒4子を助けることもできました。
このように、ただ自分の石を守るだけではなく、一歩踏み込んで「相手の石を切り離す」ことができるようになればステップアップします。
ちなみに2図の結果は白勝ち、3図は黒勝ちとなりそう。一歩踏み込むことが勝敗にも関係してくるのです。
●メモ● 「皆さんにご報告しなければいけないことが…」と芳織初段。実はこの1月、三村智保九段と結婚されたのだ。テニスがきっかけという。「テニスも強いし、行動力のあるたくましい先生」というのが芳織初段の三村九段評。「囲碁も教えてもらい、強くなります!」