上達の指南
(1)最年少17歳 ベスト4進出
(寄稿連載 2015/10/27読売新聞掲載) 第2回ネット棋聖戦は趙錫彬さんの2連覇で幕を閉じた。最上位のSAクラス決勝大会には、リーグ戦を勝ち抜いた17人が出場。1、2回戦はネット対局で、準々決勝以降は対面対局で行われた。トップアマの熱戦から4局を審判長を務めた元棋聖、王立誠九段の講評で紹介する。
今回は西川さん(大阪府大東市)と西岡さん(和歌山市)の準々決勝。西川さんは第1回大会でもベスト4入りを果たした強豪。西岡さんは高校3年生で、ベスト8の最年少の17歳。
【局面図1】 黒17のハサミ返しに、白18のツケから22と切ったが、王九段は「あまり見ない手」とした。
【1図】 白1と押さえ、黒2の押しに白3のノゾキから5とこすんでいるのが普通という。
実戦は黒27まで黒に不満のない分かれとなった。黒29のハサミから31のカケは妥当であるが、これに対し白32と動き出した。「黒の堅いところで戦うもので疑問」と王九段は指摘した。
【2図】 白1、3のツケノビが調子よく、白7とはねれば不満はないそうだ。
【局面図2】 好勝負で中盤戦へ。白2のカケツギが西川さんの緩着であった。守る必要はなく、黒3と中央を備えられ、「黒13となっては白が形勢を損じた」と王九段。白2はAとボウシし、黒B、白C、黒D、白Eと中央を打っておけば難しい碁であった。最年少、西岡さんがベスト4進出。
(千喜良 忠)
●メモ● 第3回ネット棋聖戦は11月開幕する。年間を4シーズンに分け、リーグ戦を戦う。棋力によりSA、A1、A2、B、C、Dクラス。持ち時間は規定で定められており、真剣勝負の対局に。対局は木曜と土曜。各クラス優勝者に賞品。決勝大会ベスト4はプロの棋聖戦出場資格を得る。
準々決勝
白 西川貴敏
黒 西岡正織