上達の指南
(2)「2の一」の筋から見よう
(寄稿連載 2013/05/07読売新聞掲載) 対局は大好きなのに、詰碁は面倒、という方がいます。しかしよく考えてみると、一局打つと1時間くらい掛かりますが、詰碁を1題解くには5~10分もあれば十分です。これ以上考えるような問題は避けた方がよいでしょう。簡単にできることですから「1日1題」をお勧めします。コツコツと詰碁をやっていると、自然に囲碁の地力がついてくるのではないでしょうか。
今回は「2の一」です。実戦でもよく出てきます。「まず、2の一の筋から見る」と言ってもよいほどです。
【基本型】 「2の一」の点はAとBの2か所です。
【解答図】 黒1の置きがズバリ「2の一」の筋です。
白2に黒3以下7まで白死。黒1でAの方では白3のブツカリで手になりません。黒1で3のツケは白1、黒5、白Aでコウです。
【問題図】 少々難問かもしれません。初手は今回のテーマを実践してください。
【正解図】 黒1が正解です。白2には黒3から5と渡って白に生きはありません。
【変化図】 黒1に白2のツケなら、黒3と渡るまで。白4、6としても、黒7と2子にして捨て白死です。白2で3なら、黒6と眼を持って、眼あり眼なしで白死です。
【失敗図】 黒1のコスミには白2のツケが巧手。これも「2の一」の筋。黒3以下白8のコウにしては失敗。白2で4は黒2、白6、黒7で正解に戻ってしまいます。
●メモ● 大橋六段は4歳でピアノを始めた。碁歴より1年長い。今でも時間があるとピアノに向き合う。最近、「囲碁アミーゴ」のイベントなど、囲碁関係者から声が掛かり、年に数回、人前で演奏する機会がある。「ピアノに向かっていると、よい気分転換になります」