上達の指南
(4)尽きない筋、創作に挑戦を
(寄稿連載 2013/05/21読売新聞掲載) 最終回は、詰碁創作のお話をしましょう。プロ棋士は実戦からヒントを得たり、ひらめいたりしたものを詰碁にします。
また、最終形を作って、さかのぼって行って問題にする手法もあります。ともかく詰碁の筋は尽きないようで、古来、絶えることなく創作されているのは不思議とさえ思えます。
皆さんも一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
【1図】 初めての場合、いきなり創作と言っても大変でしょう。まず、5×5の図を用意することをお勧めします。黒石で囲い、その中に適当に白石を置いてみるのです。
【2図】 このように白石を置くと、詰碁風になった感じがしませんか。
自分で解きながら修正していくのですが、この配石では黒Aに白B、黒Cには白Dで、どうにも手になりません。
【3図】 そこで、2の二の急所にある白石をひとつずらしてみます。
【4図】 これは立派な詰碁になっています。
黒1のツケが急所で、白2に黒3、5が好手。白6に黒7で白死です。
【問題図】 詰碁の醍醐(だいご)味は手順の妙にあります。少々歯ごたえのある問題ですが、どのような手順で白を仕留めますか。
【正解図】 黒1のツケから白2に黒3とはねるのが手順の妙です。白4で黒窮したように見えますが、黒5の出が妙手。白6に黒7とつぎ、白Aに黒Bで白死です。
(おわり)
●メモ● 大橋六段は昨年夏、ドイツのボンで開催された「ヨーロッパ・ゴ・コングレス」に初めて参加した。約2週間の休暇を取った。青空の下、テントの中で陽気に碁を楽しむ光景を見てカルチャーショックを受けたという。「囲碁ファンの方にはぜひ一度参加し、体験してほしい」