上達の指南
(4)連続逆転勝ちで最年少V
(寄稿連載 2017/02/28読売新聞掲載)谷口徹二段との決勝三番勝負、第2局です。辛勝とはいえ初戦勝利したこと、また本局は日本棋院の対局で、多少ゆとりを持って臨めました。
【テーマ図】白12とつけられたところです。左下を動く気はせず、右辺の白にどう仕掛けるのがよいかと考えていました。
【1図】黒1のボウシがよいかと思いました。白2と守ったところで、黒3のツケが白を凝り形にする面白い手。白6まで利かして黒7と割り打ち、黒まずまずの進行だと思いました。
【2図】1図の黒1では本図、黒1の詰めが常形ですが、この場合は白2の飛びから4がよい調子です。黒は5と受けるくらいで、白に先手を取られて左辺へ先着され、黒面白くありません。
【3図】なお、1図、白4の上ハネは妥当で、これを白1の下ハネは、黒2のハネで調子づかせます。白3の切り以下ほぼ必然の運びで黒16のツギまでとなり、右辺の白は散々な形です。
序盤は順調でしたが、中盤のコウ争いでしくじり終盤はまたまた半目勝負に。一時は負けも覚悟したほどでしたが、逆転で三番勝負を制することができました。
16歳6か月での新人王は史上最年少とのことですが、本戦から三番勝負まで逆転勝ちの連続でした。まだまだ力不足。新人王の名に恥じないよう、これからも精進あるのみです。(おわり)
●メモ● 大西二段は1月5日、東京本院の打ち初め式で高尾紳路名人と記念の公開早碁を打った。それから1週間後、高尾名人と天元戦の本戦1回戦で対戦。七大棋戦ではこれまで本戦はおろか最終予選入りもなかったが、初の本戦で勝利した。「新年早々幸先よい結果でした。挑戦者を目指します」
第41期新人王戦決勝第2局
黒 二段 大西 竜平
白 二段 谷口 徹