上達の指南
(2)攻めは足元を固めて
(寄稿連載 2009/06/16読売新聞掲載) 私は厚みが好きで、どちらかといえば攻めの棋風だと思っています。相手の石を攻めるには、まず足元を固めておかなければいけません。それは置碁の場合でも全く同じことです。ただし、早く勝勢を築くためには、速攻が大切になります。
【テーマ図】今回は黒4、6のツケノビを考えてみましょう。ここはしっかりと打ち分けて、その後の攻めにつなげたいところです。
【変化図1】白1の三々は、黒2の押さえから4の切りとなりますが、この図は右辺の黒が広く、「黒良し」です。未開の地に先着する方が有利なのは明らかですね。
【失敗図】変化図1の白3で1とつぐのは、前図を不満として頑張った手です。黒2はこの一手ですが、白3に黒4と押さえるのは、白5から7と渡られます。これは白の実利が大きく、黒大甘といわねばなりません。黒の容易でない形勢といってもよいでしょう。
【変化図2】失敗図の黒4では、黒1と2の二に置く手筋を覚えていただきたいですね。白2のツギに黒3と渡ります。こうなりますと、▲の二間高バサミがピカピカの絶好の位置にあり、白は二つの石に眼形がありません。「黒断然良し」で、すでに黒の勝勢です。
【変化図3】白1のトビツケも考えられます。黒2、4のワリツギから8と曲げて白9のノビまで、一局です。前回と同じような型に見えても、白の方向はこちらが少し勝るようです。
●メモ● 大沢三段は3年ほど前からベリーダンスを始めた。それまではヨガを1年ぐらいやっていたが、ねむくなることがあるので変化したという。「エキゾチックなところが魅力かな。もう少し太った方がいいみたいだけど、何歳になっても続けていられそう」