上達の指南
(3)のびのびと中央へ…
(寄稿連載 2009/06/23読売新聞掲載) 置碁で黒の立場として気をつけなければならないのは、隅に閉じ込められないようにすることです。隅で小さな生きを強要されると、白に外勢を張られ、後の打ち方が不自由になります。
【テーマ図】今回は黒4のコスミを取り上げます。のびのびと広い中央に向かって進出して行きましょう。ただし、地に関してはどうしても甘くなりますから、力でカバーするしかありません。
【変化図1】最も多く打たれるのは白1の三々入りでしょう。黒2と押さえ、白3の渡りに黒4の飛びが5子局では分かりやすいでしょう。
【変化図2】変化図1の黒4では、強く黒1のカケも有力です。白2のアテコミはこういう形での急所で、黒3の当てから5とつぎます。
5子局ではほとんどの場合、シチョウは有利ですが、もし白が有利なら、ずばり白Aと切ってくるかもしれません。その時は黒Bとカケます。白Cには黒Dのコスミが肝要です。黒Dで怖がってEと並ぶと、白Dとカケられて苦しくなります。
【変化図3】黒1のカケはいただけません。白2から4、6とはね伸びられ、黒はちぢこまっています。白の発展的な形に比べ、黒がつらい。
【変化図4】黒1と反対を押さえるのも感心できません。黒3に白4と開かれて甘いのです。方向が悪いでしょう。黒3で4と挟むのは、白A、黒B、白C、黒D、白3で黒の形が崩れます。
●メモ● 大沢三段はテニスもやっている。1週か2週に1回、四谷のコートで汗を流すメンバーは、世話役の金秀俊八段、河野臨九段、三村智保九段・向井芳織二段夫妻ら。腕前の方は金八段が断然という。テニスの後は同じメンバーで検討と早碁の研究会を開く。