上達の指南

大沢健朗二段の「シングル級への心得」

(1)陣地を構える意思 明確に

(寄稿連載 2016/01/05読売新聞掲載)

 日本棋院中部総本部の下島陽平八段、柳沢理志四段らと、若者への普及のため「名古屋アミーゴ」の活動を始めて6年になります。囲碁をまったく知らなくとも、失敗を恐れず、ワイワイにぎやかに碁盤を囲んでくれるので、私も楽しみながらやっています。彼らには「早くシングル級になりましょう」と言っています。1ケタ級になると、碁の面白さを実感できるようになってくるものです。

 【テーマ図】 黒1、3、5の三連星は、定石の数が限られていて、2ケタ級の皆さんにお勧めです。白6のカカリに黒7とはさみ、白8と三々に入る。よく見る形ですが、ここで黒はイとロのどちらに打ちますか。

 【1図】 実は、級位者にはどちらも正解です。ふつう、黒1と押さえるのはよくないとされていますが、それは段位者の話。級位者はどちらに打っても問題ありません。
 大事なことは黒1をどういう意図で打つかです。
 白8に続いて、黒9のカカリから11と飛んで、上辺に陣地を構える意思が明確なら黒1は正解です。黒9でAなどと寄り道をすると、白9に守られ、黒模様が消されて不正解になるのです。

 【2図】 もちろん、黒1の押さえも正解です。白2に黒3の伸びを忘れず、黒5のケイマまで右辺一帯に陣地を構えれば、構想は一貫しています。白6に黒7と受け、黒9まで申し分ない布石です。

●メモ● 大沢二段は昨年10月行われた日本棋院中部総本部囲碁フェスタ2015で「24時間耐久 9路盤 1000局」に挑戦。29時間余りで目標を達成した。対局した相手は延べ約500人という。「囲碁を知らない人にも興味を持ってもらえるよう、今後も様々な企画を考えていきたい」

【テーマ図】
【1図】
【2図】