上達の指南

阪本寧生五段の「3子局は序盤で反発」

(1)強く戦い 凝り形を回避

(寄稿連載 2016/02/02読売新聞掲載)

 プロの高段者に3子で勝てるようになれば、2子でもすぐに善戦できるはずです。それならアマの県代表クラスの実力といってよいでしょう。
 しかし、3子の置き碁はそうやさしくはありません。序盤から白の言い分を通していると、すぐに細かい形勢に導かれます。後は実力の差で、終盤に抜き去られることが多いのです。
 3子局は石数優位の序盤に強く戦うことが大切です。私の指導碁を題材に解説したいと思います。反発する気力と棋力を養ってください。

 【テーマ図】 白15の切りは白4子のサバキを図りながら、下辺の黒を凝り形にさせようとしています。黒はどう対応すべきでしょう。

 【正解図】 黒1と上に伸びるのが強い手です。白2と飛ぶしかなく、黒3と下から当てます。白4に黒5とはって、白は動けません。次に白Aなら黒B、白C、黒Dで取れています。

 【参考図】 この後、白1と三々に入りたいのですが、黒4と強く遮ります。
 白9に黒10と遠慮するくらいでも、黒Aの突き当たりから左右を連絡する保険があり、心配はありません。逆に白5子は非常に薄い姿です。

 【実戦図】 黒1の当ては白の注文にはまりました。白8まで絞られて凝り形にされたうえ、白10から12に、黒13と押さえるしかなく、白18と開かれては、黒は相当やられています。

●メモ● 阪本五段は大阪府吹田市出身、38歳。植木善大八段門下。2003年入段、14年五段。同門に武井孝志七段、種村小百合二段。名前は、書道の先生をしていた祖父が中国の漢詩などを調べてつけてくれた。その名前に恥じないよう「何事にも丁寧に」と自分を律しているという。

【テーマ図】
【正解図】
【参考図】
【実戦図】