上達の指南
(4)配石違えば打つ手も変化
(寄稿連載 2018/10/10読売新聞掲載)「弱点を知る」ための講座の最終回です。
【テーマ図】前回と同様に4子局です。白1の掛かり以下白11の飛びまでを見て、「オヤッ」と思われた方はいませんか。
前回と似たような碁形ですが、白3(前回はA)白9(同B)と微妙に配石が違います。
少しでも配石が変わると、弱点も変わってきます。さて、白の弱点は?【1図】黒1の打ち込みが目に付きますが、△が二間高ガカリなので白4のツケからサバキやすい形です。白6、8のハネが巧手。白12と飛ばれると、下辺の黒2子は負担になります。
【2図】白の弱点は上辺で、黒1の打ち込みが絶好です。
白2の飛びに黒3、5と飛ぶと、白は左右に分断されて苦しい戦いになります。
【3図】前図の白2では、白2とかわす手がありそうですが、黒3のノゾキから5のツケが強手です。白は6のハネ出しから8と抱えるしかなく、黒11のカケツギまで分断すれば黒の打ち込みは成功でしょう。
【4図】上辺の白が弱点といっても、一歩誤ると白に楽をさせてしまいます。
黒1の3線の打ち込みも目に付きますが、白2のカケが好手。黒3以下7と渡って弱点を突いたかに見えますが、この白はAが利いているため存外粘り強い形。白に手抜きされ、他の大場に向かわれます。
自分の弱点、相手の弱点に目を光らせて、棋力の向上を目指してください。(おわり)
●メモ● 関三段はゲーム類には何でも興味があり、棋士仲間と「人狼」を楽しむ部活を行っているほど。小学6年生の頃からパソコンに興味を持ち、自分で組み立てをするほどだという。「最近囲碁AI(人工知能)が注目を集めていますが大変興味深く、研究に励んでいます」