上達の指南
(4)コウ立ての数を把握する
(寄稿連載 2016/03/22読売新聞掲載) コウを始める時は「双方のコウ立ての数を把握してから」が鉄則です。そのために、コウ立ての数を正しく数えられるようになりたいものです。
対局中に相手が長考していたら、その時間を利用してコウ立てを数えてみる――。そんな習慣を心掛けてもらえたらうれしい限りです。
【第1問】 △に対し、黒はどう受けますか。
【1図】 黒1の当てだと、白から2、4と二つのコウ立てが利くので失敗です。
【2図】 黒1の方から当てても、やはり白2、4が利いてしまいます。
【3図】 黒1と一線に下がるのが正解です。このあと白がAでもBでも黒Cとつぎ、白からはもう一コウも利かないことをご確認下さい。
【第2問】 手を抜くと白イ、黒ロ、白ハ、黒ニ、白ホでセキとされてしまいます。従って黒は手入れが必要ですが、最も白からのコウ立てが少ない形で受けてください。
【4図】 黒1が最も目につく受け方ですが、白2が利いてしまいます。これ一つだけとはいえ、コウ立てが発生しては失敗なのです。
【5図】 ちょっと気づきにくいかもしれませんが、黒1の並びが正解。これで白からのコウ立てが何も利かないのです。
【6図】 白1とつけてきても手抜きが可能。白3には黒4で問題ありません。
(おわり)
●メモ● 李世ドル九段とアルファ碁の対局には、外柳二段もくぎ付けだった。「形勢判断に優れている点に驚きました」という。人間の感覚からすると首をかしげたくなる手もいくつかあったが、出来上がってみると悪くない。自由な発想が多く「教えられたことも多かったです」と話した。