上達の指南

鈴木歩三段の「詰め碁のすすめ」

(1)ふところか急所かを考えて

(寄稿連載 2007/01/15読売新聞掲載)

 みなさん、詰め碁はお好きですか?
 級位者のみなさんからは、「ゴチャゴチャしているから苦手」「読むのがめんどうだからイヤ」って声が聞こえてきそうです。
 でも、そう言う人は「布石はうまく打てるんだけど、最後に大石を取られちゃうんだよなぁ」なんて負け方が多いのでは。
 死活の力は勝負に直結します。そして詰め碁は死活を読む力を培う最もよい方法です。布石で多少リードされても、読む力さえあれば中終盤で逆転を狙いやすくなる。勝率もグンと上がるでしょう。それに石の攻防は囲碁の醍醐(だいご)味のひとつですから、対局がより楽しくなりますよ。
 実戦にあらわれた死活問題をその場で解こうと思っても、なかなかできるものではありません。毎日コツコツ、1問でも2問でも詰め碁を解けば必ず生き死にの急所を見る目がついてくる。日々の積み重ねが肝心です。
 では、実戦に良く現れる基本的な死活の形を見ていきましょう。

 

【テーマ図】 黒番で、白を死に形に導いてください。まず相手のふところを狭める手を考えて、それがうまく行かないようなら急所に行く手を考える。この場合はどちらでしょうか。

 

【正解図1】 黒1と、いきなり急所に行く手が正しいのです。

 

【正解図2】 白1の受けには黒2と追及。黒4とダメ詰まりを突いて、白死にとなりました。

 

【失敗図1】 外から狭める黒1は、この場合、白2と急所を占められて、もう白の眼形を奪うことができません。黒3には白4でよい。

 

【失敗図2】 黒1から3はどうか。これは白4と生きられてしまいます。

 

【手順図】 テーマ図は白1に黒2とはさんだ定石形からできた形です。

●メモ● 鈴木三段は1983年東京生まれ。岩田一八段門下。2001年入段、03年女流最強位を獲得し初タイトル。5歳のときに岩田八段の教室で碁を始め、いまは子どもたちの先生として岩田教室へ通っている。

【テーマ図】
【正解図1】
【正解図2】
【失敗図1】
【失敗図2】
【手順図】