上達の指南
(4)相手の石分断 置碁を克服
(寄稿連載 2018/05/23読売新聞掲載)「お付き合い」対策の最終回は置碁編です。置碁になると、下手はお付き合いすることがさらに増えます。これを回避すれば、置碁は克服できます。
【テーマ図】4子局で、黒14のコスミツケから16の開きまで黒まずまずの序盤戦です。
白17の三々打ち込みは、下手の苦手とするところ。黒はどう対応しますか?
【1図】多くの下手の方は反射的に黒1と押さえ、白2に黒3以下7と守って、ホッと一安心、となりがちです。
しかし、白8と守られては黒大損でしょう。黒1が弱気のお付き合いの典型です。
【2図】ここは断固黒1と下がって白を分断すべきです。白は2のノゾキから8とヘコんで隅で生きますが、黒9が絶好点。隅は白に荒らされましたが、下辺の白を攻める楽しみは隅の出入りの比ではありません。更に黒9を占めたことで左辺の黒模様が大幅に広がりました。
【3図】前図の白4のコスミでは、白1とはってくる手もあります。これには単に黒2のハネから4と伸び、黒Aの出は保留するのが正しく、後にコウ材に利用します。
【4図】▲に白1とケイマで変化して来た場合の応手です。
白1には黒2のコスミツケが好手で、白は3と引くしかなく黒6まで。【2図】、【3図】より黒の形は一層よくなります。
さあ、今日から「弱気のお付き合い」とはおさらばしましょう。
(おわり)
●メモ● 高橋七段は、これまでにピアノ、テニス、ガーデニングと数多くの趣味にチャレンジしてきたが、なかなか続かなかったという。沖縄に転居してから、今度は弦楽器の三線(さんしん)に挑戦した。指導者にはつかず、入門書などを見ながらの独学だが、その音色にひかれて、練習を重ねている。