上達の指南

武田祥典初段の「有段への特効薬」

(3)発展性のある方を大切に

(寄稿連載 2013/04/16読売新聞掲載)

 カカリに対し、受けるか挟むか、は級位者にとって悩みの種であるようです。今回はその対処法についてです。

 【テーマ図】 白1とかかってこられたところです。判断のポイントは、上辺と右辺のどちらの価値が大きいかです。
 この場合は右下に黒のシマリがあり、その発展方向である右辺の価値が大きいと判断できます。

 【1図】 私の生徒さんたちの話によると、どうやら級位者の方は、「挟んだ方が強く思われるのではないか」という心理が働くようですね。
 しかし黒1のハサミは白2の三々から10と、右下の▲のシマリの発展方向である右辺に足を伸ばされてしまいます。
 その代償として黒は上辺に厚みを築きましたが、こちらは価値も発展性も低いため、あまり感激がありません。黒失敗の分かれです。

 【2図】 平凡に映るかもしれませんが、黒1の受けが正着。価値の大きい右辺の大場を黒5と占め、満足の布石です。

 【3図】 まったく同じ配石で、白が1とこちらからかかってきたとしましょう。すると今度は黒2の受けが疑問手となります。白3、5と右辺に展開され、右下の▲のシマリの発展を制限されてしまいました。

 【4図】 今度は黒1のハサミが正着で、黒11と下辺の大場を占め、右下を中心に理想的な模様を形成できました。

●メモ● 「上辺と右辺、どちらの価値が大きいか」についての補足。武田初段によれば「空間幅の広さが判断基準になる」とのこと。テーマ図では、左上で白が小ゲイマに構えているため、上辺の幅は狭く、一方で右辺は右下との距離が長い。ゆえに「右辺の方が価値が高い」のである。

【テーマ図】
【1図】
【2図】
【3図】
【4図】