上達の指南

鶴山淳志七段の知っていると便利な手筋

(3)捨て石使い形を整える

(寄稿連載 2017/07/11読売新聞掲載)

 今週も序盤によくできる局面をテーマに、サバキの手筋をご紹介します。相手の強い場所で自分の形を整えるときは、捨て石を使うのがコツです。

 【第1問】黒1は、▲の2子を軽く見てサバキを求めた手です。ここで白2と切ってきました。黒はどう打つのがよいでしょうか。
 【1図】問題図までの手順です。白の中国流に黒1と臨み、白2、4と応じられました。ここで黒Aなどと守ると黒石は重く、負担になってしまいます。
 【2図】黒1、3は失敗です。白4まで左右の白はしっかりした形ですが、黒は連絡はしたものの、全体が重い石。働きに乏しく、かといって捨てることもできず、負担になりそうです。
 【3図】黒1と当てて、白2を打たせてから黒3と分断するのが手筋。相手の石を近づけておいてバッサリ切るイメージです。白6まで△が弱く、黒は好形で、数子を捨て石にしてうまくさばいたかっこうです。続いて黒はAのつなぎも楽しみですし、手抜きも考えられます。

 【第2問】▲のとき、白1と挟みつけてきたら、黒はどう応じたらよいでしょう。
 【4図】黒1と分断するのは失敗です。白4まで▲が弱くなり、黒4子も強い石とはいえません。
 【5図】黒1の挟み返しが手筋です。白2には黒3から5といい形で下辺を破ることができます。
 【6図】白2と切ってくれば黒3とつなぎます。白4まで、3図と似た結果で、黒のサバキが成功です。

●メモ● 日本棋院の野球部にも所属するスポーツマンの鶴山七段は、1年前から「ロードバイクにはまっています」とのこと。研究会まで片道20キロの距離を1時間弱ほどで走るという。「乗ってみると、気持ちがよくて健康にもよく、電車賃もかからない。いいことずくめです」

【第1問】
【1図】
【2図】
【3図】
【第2問】
【4図】
【5図】
【6図】