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上達への指南
矢代久美子女流本因坊の「三々に入られたら」 読売新聞 2006/09/25掲載
(3)押さえは開きを考えて(寄稿連載)
 星に打てば、相手から常に三々を狙われます。お互いに隅を守るタイミング、隅を荒らすタイミングを計りながらの進行になるでしょう。もちろん、三々に入られたからといって必ずしも悪くなるわけではなく、局面にあった応手を選べば、なにも問題はありません。

 【テーマ図】 実戦にしばしばあらわれる形ですね。黒1、3はこう打つところ。続く白の一手が分岐点です。AとB、どちらが勝るか、考えてください。

 【正解図】 白1(テーマ図A)の押さえが正しい。△とすでに辺に展開しているときは、辺の地を大事にしてこう打つものと覚えてください。隅の地を減らされたようでも、白が先手ですからバランスは十分に取れています。
 続く白5、7のハネツギは黒からの三々を防いで実利が大。逃せぬ好点です。

 【失敗図1】 白1(テーマ図B)、3は隅を譲って外勢を取る方針。部分的には間違いではなくても、はたしてこの局面にあっているといえるのでしょうか。
 まず、△と開いていたのに、左辺を荒らされてはつらい、と意識してください。△の価値が半減しています。また、白5までの厚みは、▲がきているので働く場所がありません。白1は誤った選択でした。白に不満の残る進行ですね。

 【失敗図2】 前図に続いて、黒1三々が大場です。白2の下がりは左辺黒への攻めを狙ったものですが、黒11まで実利を奪われた上に、黒13と弱石を備えられてしまいそうです。

 みなさんの碁を拝見していますと、実利を軽視しがちといいましょうか、どんなときでも厚みを取って攻めたがる人が多いですね。そういう人は失敗図の進行を選びがち。ですが、たいていの場合は損なのだ、と意識してほしいですね。


●メモ● 10月5日から、矢代女流本因坊のタイトル防衛戦がはじまる。「今年は調子が良くないのですけれど、挑戦手合になれば気持ちもまた変わってくると思います。気合を入れなおしてがんばりたいです」

【テーマ図】


【正解図】


【失敗図1】

【失敗図2】

矢代久美子女流本因坊の「三々に入られたら」 (1) (2) (3) (4) [ 『上達への指南』一覧はこちら → ]