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上達への指南
結城聡九段の「今年この一手」 読売新聞 2014/12/02掲載
(2)気合の伸びで言い分通す(寄稿連載)
 現在の日本囲碁界は井山裕太六冠を中心に回っています。7大棋戦のほかのタイトル保持者は高尾紳路十段だけです。井山六冠は持ち時間の多い2日制の碁で特に強く、苦しい時に繰り出す勝負手の鋭さと深い読みは別格と言ってもよいでしょう。
 僕も一度、何か挑戦権を得て井山六冠と2日制の碁を打てたら、と願っています。

 【局面図】 黒25と肩を突き、白26と押し上げた局面。黒イと、ともかく頭をはねたくなります。しかし河野挑戦者は黒27と伸びたのです。力強いというべきか、強情というべきか、ともかく気合の一手です。

 【参考図】 黒1とはねたら白2と切る一手。黒3から9に白10のコスミツケが好手です。黒Aの伸びなら白Bと押して戦えます。黒Cのゲタなら白Aとはねて不満はありません。

 【実戦図】 黒27の伸びは新手です。黒33は好手と思いました。白34に黒35とつぐのがいい調子でした。

 【変化図】 黒33を単に黒1とつぐのは、白2と開き、黒3に4か、実戦図のイに回って白も一局でしょう。
 白36はやむを得ません。これを37と出るのは黒38と切られます。白40は必要です。黒にここに伸びられては白の位が低くなってしまいます。一手一手に深い意味が隠されていて、見応えのある応酬でした。
 黒41のポン抜きとなっては、黒の言い分が通りました。
●メモ● 結城九段は10年ほど前から、地元神戸で週に1回、研究会を開いている。現在のメンバーは吉田美香八段、河英一五段、阿部良希、渡辺貢規両初段が中心、村川大介、瀬戸大樹両七段も時に姿を見せる。新手が出た対局や世界戦の話題局などを並べて、意見を出し合う。
第39期名人戦七番勝負第1局
白 名人 井山裕太
黒 挑戦者 河野臨

【局面図】


【参考図】


【実戦図】


【変化図】

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