岡目八目
(5)「ボード碁」で国際交流
(寄稿連載 2011/12/13読売新聞掲載)子供たちへの普及と並んで長年力を入れてきたのが世界との交流です。囲碁は万国共通のものであり、国際交流には最適です。
発端は1988年、船橋市長で全国囲碁同好市長会会長でもあった大橋和夫氏の発案で始まった船橋市と中国・西安市との囲碁交流でした。交互に訪問し合って今年で20回目を迎え、中国の様々な記録を集めた本にも世界記録として掲載されています。
このほかにも日韓大学OB・OG対抗戦をはじめ、韓国延世大学、台湾台北市、上海市などとの交流を行ってきました。今後の国際交流の究極の懸け橋役となるのは「ボード碁」だと思っています。
ボード碁はパソコン対局の一種で、一手打って送信し、相手の着手を待ちます。「郵便碁」のパソコン版といったら分かりやすいでしょう。同時に何人とでも打てますし、都合のよいときに打てます。
外国向けのサイト(http://ingo‐web.com)も立ち上げ、現在、7か国、100人近くの会員が楽しんでいます。
このサイトには名誉天元の林海峰先生、中国棋院元院長の王汝南先生のご賛同を頂いており、近い将来ブレークすると確信しています。来年、中国で行われる第6回ASEAN囲碁大会に日本囲碁団として参加します。ボード碁が国際的に広まるよう民間外交を展開してきます。
今日まで私なりの普及活動が実現できたのは、幸せなことでした。その活動へのエネルギーを注いでくれた仲間に万感の思いを込めて感謝申し上げます。
(山下塾・塾長)(おわり)