上達の指南

張栩と泉美の「四路盤へようこそ」

(1)パズル的感覚で気軽に

(寄稿連載 2011/09/20読売新聞掲載)

 娘に、楽しみながら囲碁を覚えてもらうにはどうすればいいのか――。子育ての一環としてこの問題と直面したことが、僕たち夫婦が四路盤に注目するきっかけとなりました。
 詰碁ではなく、パズル的な感覚で問題を解いてもらいたいというのが第一です。囲碁のルールに則してはいますが、四路という限られた範囲ならば、初心者も気軽に取り組めるはずです。
 ルールを確認しておきましょう。
 〈1〉黒番です。
 〈2〉白石を全部取ってしまうか、地合いで勝ってください。ジゴでは不正解です。

 【第1問】 どちらの白を取りますか?

 【失敗図】 黒1と大きい方を取りたくなるかもしれませんが、白4のあとに黒5が必要。ジゴとなるので失敗です。

 【正解図】 黒1とこちらを取ります。白2、4が絶対でセキとなりますが、黒にアゲハマが一つあるので、1目勝つことができました。

 【第2問】 盲点に入ると悩むかもしれません。

 【失敗図】 黒1は白2、4までセキ。アゲハマもないのでジゴです。黒1で4も白2、黒3、白1までのセキでジゴ。

 【正解図】 自らダメヅマリに行くようですが、黒1が好手。白2に黒3と切って白4と取らせ、黒5で「石の下」の完成です。白は全滅で、黒の大勝となりました。

 <泉美からのひと言> いかがでしたか。四路とはいえ決して侮れないですよね。次回以降も様々な筋を堪能していただきますよ。

●メモ● 張栩棋聖が監修した囲碁パズル「よんろのご」が、幻冬舎エデュケーションから発売された。対象年齢は5歳以上。白黒の碁石の代わりに赤と緑のりんごという、親しみやすいデザインとなっている。家族や友達と楽しみながら、囲碁のルールも覚えられる。1429円、税別。

【第1問】
【失敗図】5(1の左)
【正解図】
【第2問】
【失敗図】
【正解図】5(1)