棋聖戦
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上達への指南
加藤充志九段の「今年この一手」 読売新聞 2013/11/26掲載
(2)相手の思惑を外した決断(寄稿連載)
 棋聖戦第1局は張棋聖の思い切った作戦が局面を作りましたが、この第2局では井山挑戦者が斬新な手を繰り出しました。

 【局面図】 黒1と白2を交換したのが、なかなか打てない手です。悪手になりそうで、怖い意味もあります。しかし、この交換を決めてから黒3とつけたのが、工夫の手順だったのです。白4と伸びたのは苦心の応手です。黒11、13とハネ伸びて、見掛けない進行です。

 【参考図1】 黒1のコスミはよくある手です。白2のケイマに、黒3のコスミツケから5と下がって一段落です。白イと開くのが定石ですが、この場合は白6にかかるかもしれません。白ロと中央を意識した手も有望です。黒が不満というわけではありませんが、相手の注文通りになるのが嫌だったのでしょう。

 【参考図2】 黒1とつけるのは、白2のハネから4とはったときに、黒5と押さえる定石になります。これは白6のコスミが利いて、黒の根拠がはっきりしません。

 【参考図3】 ですから先に▲と△を換わり、黒5の押さえまでの形を作りたいのです。こうなれば▲と△の交換が生きて、黒はすでに生きているのです。白はそれはたまらないと、局面図の白4と伸び込んで、こちらも相手の思惑を外しました。
 この後も、互いの力を出し切って素晴らしい七番勝負になりました。さすが、トップを争う2人の番碁でした。
●メモ● 加藤九段は小6のときに、全国少年少女囲碁大会で5位入賞した。菊池康郎氏が主宰する緑星囲碁学園で修業。4歳下の山下敬吾九段など、緑星出身の後輩たちの兄貴分である。毎年安定した成績を残していて、大きなタイトル挑戦まであと一歩のところ。周囲の期待を集める実力派である。
第37期棋聖戦七番勝負第2局
白 棋聖  張栩
黒 本因坊 井山裕太

【局面図】


【参考図1】


【参考図2】


【参考図3】

加藤充志九段の「今年この一手」 (1) (2) (3) (4) (5) (6) [ 『上達への指南』一覧はこちら → ]